4コマ vol.3 「精巧なフェイク」

 

【コメント】

カリーRCフェイクは偽物を見る際のポイントを示してくれています。

 

◆ 偽物の印刷データは?

「Y」の書体が違った理由を消去法で考えてみましょう;

①単純に元カードを複写(カラーコピー)した場合
 →偽造カードの「Y」も同じになる
②メーカー製造過程から印刷データが流出した場合
→偽造カードの「Y」も同じになる
③印刷データの「Y」の書体が異なる場合
 →偽造カードの「Y」が異なる

つまり偽物の印刷データから「Y」が違わないと画像のような偽物はできないので
贋作師は正しいカードを元に、新たな印刷データを作成したと推測されます。

 

 

◆なぜ偽造カードでは異なる書体の「Y」が使われたのか?

本物のカードで使われている「Y」はワープロソフト等で通常使う書体ではありません。
そのためにフェイクは文字を真似しきれなかった(又は見落とした、あるいは無視した)可能性があります。

なお、4コマ内では記載できませんでしたが、Y以外にも本物と異なる部分があります(「C」の書体や、「U」と「R」の文字間隔など)。

 

 

◆書体の重要性

ご存知の通り、書体には「似ているが少し違うもの」が多数あり、完全に同じ書体を選び出すのは素人の我々には難しいです。

そのため、この種の精巧なフェイクは、書体から判別されるものが少なくありません。

例えば、以下はニュースで報道された美容液の偽物です。

ここでもやはり書体が区別のポイントとして挙げられていました。

この美容液には他にも書体違いの文字が潜んでいます。
鑑定済みトレカのラベル真贋判断などにも通じるので、書体判別に関心がある人はチャレンジしてみて下さい。

またこういう様々な偽物の書体判定にチャレンジすることで、特徴が出やすい文字などの経験値も積めると思います。

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