【Fake/Forged】無鑑定シングルカードのリスクポイントの見つけ方

 

Q.シングルカードのリスクを見つける時に重要なのは何ですか。
A.私見ですが、「しっかりとした比較対象を見つけること」と「横並びして見ること」です。

 

試行錯誤の結果

 

シングルカードを選ぶ時に、何をどう見ればよいのか分からないというのがコレクターとしての長年の悩みでした。

いろいろ試した結果、今は真贋リスクを発見しようと試みる幾つかの方法に落ち着いています。

未だ多分に改良の余地がありますが、同じような悩みをお持ちの方への1つのご参考としてお話ししたいと思います。

 

 

 

対象カードの決定

 

ここでいう対象カードとは「真贋が気になるカード」をいいます。

今回対象カードに選んだのは無鑑定

96-97 Skybox Z-Force Big Men on Court Z Peat Michael Jordan

です。

通常のBig Men on Courtと異なり箔紙仕様のため画像が暗くなりやすく、判別が難しいカードです。

無鑑定の同カードが同一人によって複数回出品されたりしていました。

 

 

 

参照画像集め

 

対象カードを検討する上で、手本とするカードの画像(「参照画像」)を用意します。

集める時には以下のことを心掛けます。

✔︎BGS/PSA等の鑑定が済んでいるカードを選ぶ
✔︎複数枚選ぶ

グレーディングされているものでも画像が粗かったり、個体差があったり、稀にフェイクが紛れ込んでいたりするので、参照画像は複数枚あるほうが望ましいです。

今回はネットから10枚分の画像を拾ってきました。

 

 

 

参照画像同士の比較

 

参照画像同士を比較し、基準にする1枚を選びます。
※「自ら引いた」など確信できる1枚があるのであれば、このプロセスは省くこともあります。

 

今回の比較ポイントは次の2点です。
①表面の金箔文字「Michael Jordan」のフォントの太さ(丁寧さ)

②表面の金箔文字「Z PEAT」の「T」とジョーダンの右足踵との重なり具合

 

10枚を比較した結果は次の通りでした。

個人的には「Z PEAT」と踵の重なり具合は「本物同士でも異なる特徴」のように感じられたため、
「フォントの太さ」をチェックポイントとします。

最もサンプルが多かったVer.Aから見やすいものを参照画像として選びました。

 

 

対象カードとの比較

 

選び出した参照画像と対象カードを横並びにして比較します。

左:参照画像(PSA)      右:対象カード

比較してみると、対象画像(右側)はグレーディング済みの参照画像(左側)と比較して、フォントが太く、作り込みが甘い(雑)という印象を受けます。

結果として、私は「対象カードは(本物と位置付けた)参照画像と異なる特徴を有する」と判断しました。

 

 

 

対象カードの評価

 

とはいえ、この比較結果をもって対象カードを「偽物」と断じることはできません。
あくまで素人の判断であり、鑑定のプロや経験豊富なコレクターが見れば違う結果も十分にあり得るでしょう。

 

ただ、「多くのグレーディング済のカードが備えている特徴を、無鑑定の対象カードは有していない」ということは明らかになりました。
これを大きなリスクと評価するか、誤差の範囲として捉えるかは、判断者次第です。

 

自らが負えるリスク量を踏まえて対象カードを評価する必要があると言えます。