某サイトへ
きっかけは某サイトで紹介されていたルースの直筆サインボールでした。
上記筆者はこのサインを偽物と判定していますが、どのようなもので、どんなところで売られているのか後学の為に見に行きました。
これがルースのサインボールが売られているオークションサイト。
一通り見て回ったのですが、私にとっては教材のようなサイトでした。
検証できた出品アイテムのうち、いくつか見てみましょう。
ベーブ・ルースの直筆サインボール(COA:BAS)
サイトを訪問するきっかけとなったベーブ・ルースの直筆サインボール。
BASの鑑定書付きですので、基本であるcert#を確認すると、
「ベーブ・ルースの直筆サインボールのauthenticated」のはずが、
「バリー・サンダースの直筆サインジャージーのwitnessed」と表示されました。
次にステッカーの検証もしてみます(最初の画像で既にお気付きの方もいたでしょうが・・・)。
上:ルースのBASステッカー
下:私所有のBASステッカー
ルースのステッカーは異なるフォントが使われているようです。
レジー・ジャクソンのインスクリプション入り直筆サインバット
こちらは第三者の鑑定は無く、説明文によると「オークショナーが保証(何を?)」するそうです。
私はサインを真贋判定できませんが、素人ながらインスクリプションの「Mr.October」が気になったので、他のサインと比較してみました。
サインはアイテムの形状や年齢、状況で変化する可能性がある為、可能な限り幅広く比較対象を集めてみました。
また、メーカーもシュタイナーやファナティック(今は一体ですが)、UDや旧ドンラスなど偏りがあまり出ないように心がけました。
個人的な見解ですが、筆順(筆の入り方)は変化が少ないのではないかと考えています。
インスクリプションを見ると「Mr」のMが、引用は全て「左から右」なのに対し、オークションのアイテムは「上から下」に筆が入っているように見えます(緑矢印)。
またMrの後ろの「黒点」がないのも気になりました(赤丸)。
1986 Fleer マイケル・ジョーダン RC(PSA)
画像が悪いため、いつも以上に検証の精度は期待できませんが、比較的手掛かりがあるラベルを検証して見ましょう。
まずラベルのcert#の確認です。
cert#を数字入力で確認すると、
PSAのデータと一致するようです。
一方、バーコードの読み取りはできませんでした。
次にラベルのフォーマットを検証してみましょう。
セキュリティホロがないので、第7世代までのいずれかと分かります。
「白文字PSA」部分に着目すると
引用:『PSAラベル私的研究』
Sの上下にカーブがついているのは第2~4世代に近いですが、
文字間隔は第6・7世代に近い為、
白文字PSAで完全一致する世代のラベルは見当たりませんでした。
またグレード表記は2段になっているため、印字部分のフォーマットは第7世代の様式を踏襲しているようです。
結論としては強いて言えば第7世代に近いが、一致するフォーマットは無いようです。
なお、『PSAラベル私的研究』にも書いたように、第7世代ラベルはセキュリティホロ無しの偽物の多くが特徴を踏襲しているラベルです。
最後に書体を確認します。
フォーマット検証で比較的似ているのが第7世代ラベルだったので、第7世代と比較します。
画像が不鮮明な為確証はないですが、cert#の最後の「5」がありがちな書体相違のように見えます(『PSAラベル私的研究』をお持ちの方は、P.76の比較を参照下さい)。
上記のように教材に事欠かないサイトですが、私にとっての一番の学びは以下のカードでした。
このカードから派生して学んだことは多く、多すぎてブログを書く際のポイントや構成が整理できていない為、稿を改めて記述したいと思います。
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