直筆サインは変化していく
直筆サインは選手の分身のようなもの。
「自分」を表すものなら、自分が変わればサインも変わる。
学生時代からサインが整っていたマイケル・ジョーダンでも、やはり学生時代とプロ入り後は形が変化しています。
左:カレッジ時代
右:プロ入り後
そんな変化を眺めるのも直筆サインの楽しみです。
そこで今回はWillie Maysのサインを例にして変化を見てみましょう。
*以下、画像は最後のreal/fakeを除き、PSAのサイトより引用しています。
<現在のMaysの代表的なサイン>
直筆サインの変化
まずはMaysのサインを時系列に並べてみます。
1951
1954
1961
1962
1970
1984
1989
1991
2009
「入り」の引っ掛け
時系列に並べてみると大きく変わっているのが分かります。
まず目を引くのは「W」と「M」の書き始め(入りの部分)。
グッと勢いよく大きめに引っ掛けてから、下に流れていってます。
サインの形は変わっても、入りを引っ掛けるのは共通しているようです。
そして、この引っ掛けた部分が潰れていって、Maysの「M」がTに見えるようになったのだと私は考えてます。
「W」の変化
次に1970年と1984年を比較してみると「W」の形が大きく変わっています。
そして1989年からは現在の形にだいぶ近づいているようです。
1989年の4のような文字はWが崩れた形だとすると、どう崩れたのか・・・
例えば、Wを以下の図の黒線のように崩したとして、
これを左に90度転ばしてみると
何となくWillieの1984年サインの1文字目に似てませんか?
そして、
この「4」に似たWが潰れると、Tに見えるのかもしれません。
入りの引っ掛けとWの転倒を組み合わせると・・・
最初に見つけた特徴である「入りの引っ掛け」が転んだWにも適用されるならば、書き始め(青丸)は左に長いはず。
見てみると、1989、1991、2009も書き始めが左に頭を出しています。
4またはTの書き始めが左に出ているのも、特徴と言えるかもしれませんね。
鑑定ではないので間違えてもよい
この楽しみのポイントは「間違えを気にしない」ことです。
どういう変化を経て今のサインに至ったかを知る/推測するのが楽しみなので、正しいか間違いかはあまりこだわってはいけません。
推理する楽しみ、妄想する楽しみこそが大事。
おまけ
せっかくなので、最後にMays直筆サインのreal/fakeの比較を掲載しておきます。
どうでしょう?
時系列でMaysの直筆サインを見てきたことで、何か変わって見えたでしょうか?