Q.シールオートの貼り間違えは何が原因なのでしょうか。
A.各社の管理態勢の違いが一因になっていると思われます。
シールオート(STICKER AUTOGRAPH)の誕生から20年以上(※)経ちますが、まだ貼り間違いが少なくありません。
とはいえ、全てのメーカーで頻発している訳ではなく、例えばパニーニ社とトップス社では発生率が違うようです。
両社のサイン管理に何か違いがあるのか、推察してみました。
※1998 SAGEを起点に計算
両社のシール台紙
最初に選手がサインするシールを比べてみます。
【トップス】
【パニーニ】
台紙の上下
【トップス】
上下の余白の幅が変えられており、更に上辺に「This side up」と明示されてます。
【パニーニ】
上下の余白の幅は同じようです。
また、上下が示されていないため、選手は余白に記載された注意書きの向きから上下を判断していると思われます。
シールの枠
【トップス】
台紙に一回り小さい白枠が印刷されていて、その中にオートが収まるよう工夫されています。
また白枠内には
「don’t sign the backer sheet」
「no firme la hoja de respaldo」
との注意書きもあります。
【パニーニ】
台紙にシールが貼られているのみです。
同席の有無
2019年のNSCC(National Sports Card Convention)で、
トップスは、選手のサイン時に同席していることを明らかにしました。
またSports Card Grading LLC(SCG)もツイートでこれを肯定しています。
さらにSCGは
①パニーニはサイン時に同席していないこと
②それがパニーニのシールオートにミスが多い原因になっていること
を明らかにしています。
確かにパニーニが同席していれば、以下の不備/事故は防げたでしょう。
貼り間違え(逆さま、人違い)
いうまでもなく、同席しないことにより、シールオートと選手の顔が一致していないことが事故の一因でしょう。
蛍光ペンでサイン
パニーニの2017 スペクトラには
蛍光インクでサインされたシールが封入されていました。
このような見にくいインクをパニーニが用意とは考え難いため、選手が自分で用意したと思われます。
もし、パニーニが同席していれば、このような商品価値を下げるインクは使わせなかったのではないでしょうか。
ダック・プレスコット事案
パニーニ発行のプレスコット直筆サインカードが、ベケットの鑑定でリジェクトされた事案。
プレスコットは自分で書いたと主張していましたが、最終的にパニーニは「may not be authentic」と発表しました。
真贋を断言していないことから、
サイン時にパニーニは同席しておらず、実際に何が起きていたか把握していなかったのでしょう。
態勢の差が事故率の差に
こうして見ると、トップスの事故がパニーニより少ないのは必然といえます。
ただでさえシールオートはコレクターに歓迎されていないのですから、メーカーにはミス極力起こさない態勢を期待したいです。
※※※※2019年12月27日 追記※※※※
BBM、PANINI、TOPPSのシールオート台紙を並べてみます。
意外にもBBMが一番シンプル。
BBMに来社してサインを書いているようなので(※)社員も付き添っているでしょう。
とはいえ、やはりトップスが一番分かりやすく親切なシート構成ですね。
台紙からシールを剥離する場合にも、Toppsのほうがシール間の余裕を持って作られているので楽そうです。
ちなみにBBMのペンはマッキーのようです。
※追記の追記(2019年12月27日)
獅子唐 @baseballtraca さんと心不全@涅槃の留守番員 @SFZ1113 さんからご指摘を頂き、BBMは自社屋以外でもシールサインの機会を設けているとのことです。
とすると、詳細は不明ながらパニーニと同じような管理態勢の可能性はありますね。
画像は西武ライオンズ 2018年 出陣式です。
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