【直筆サインを楽しむ】直筆サインボールを読み解く

サインボールの年齢の測り方

MLB直筆サインボールの魅力の1つに、ビンテージボールの艶があります。

最初は真っ白だった革が、年月を重ねることでマホガニーのような落ち着いた茶色に変わっていく。

古色蒼然としたボールは直筆サインに更なる風格を与えているかのようです。

このボールがいつ生まれたのかを知る手掛かりがあります。

それは表面に印刷されたコミッショナーの名前。

コミッショナー在籍期間に対応して印刷されるので、ボールも在籍期間中に作られたという訳です。

手元のボールで見てみましょう。

 

日米大学野球 日本チームサインボール

日米大学野球日本代表サインボール

コミッショナー:Bud Selig (1992〜2015)

セリグ印

この日米大学野球は2014年に開催されているので、ボールの経歴(=バド・セリグの任期)と一致します。

吉田や山崎などこれからのNPBを担うスターが学生時代に触れたMLB公式球。

漢字で書かれたサインと革の白さに「若さ」を感じますね。

 

 

Joe Montana inscribedサインボール

Joe Montana comeback kid

コミッショナー: Leonard S. Coleman, Jr.(1994〜1999)

コールマン印

モンタナがチーフスでプレーしたのは93年度からなので、こちらもボールの経歴と合致。

49ersで黄金期を築いてからの移籍。

S.ヤングにスターQBの座を奪われたモンタナがサインに「Joe Cool」ではなく、「comeback kid」と書いたのは、彼がカムバックを誓ったステージがあったからでしょう。

 

 

王貞治&Hank Aaron サインボール

王Aaron signed ball

コミッショナー:Charles Feeney(1970〜1986)

フィーニー印

王監督がアーロンと並び称されるようになったのは1977年の記録達成前後と思われるため、これも一致。

新たな記録達成者にスイートスポットを譲ったアーロンの懐の深さと、そこに堂々と漢字でサインしている王監督の誇らしさが光ります。

 

ボールを介して選手の人生に少しだけ触れる

これまで見てきたように、ボールから透けて見える選手の姿は様々です。

それは

栄光を極めたときだったのか、

まだ終われないと奮起したときだったのか、

それともまさに未来に飛び立とうというときなのか・・・

どんなときにどんな思いでペンを走らせたのか、その選手の現役時代を知っている、その時代の空気を吸っていたボールは、まるで選手の活躍の生き証人のようです。

是非直筆サインボールを入手したら、サインだけではなく、ボール自体の歴史、そしてボールとサインの時代的な関係性にも着目してみてください。

そのボールが秘めた選手の人生が少しだけ見えてくることでしょう。