概要
2011〜2012年にかけてアメリカで都合6人のディーラーが詐欺で逮捕された。
容疑は
プロ選手や大学スポーツ選手が実際に試合で使用したものと偽って、本当は使用されていないジャージやバットを販売していたというもの。
流通は、コレクターへの直販、オークション、リテイラーへの卸売、カードメーカーへの納品など。
偽物作り
偽物の「実使用」ジャージは「実使用」を装うために細工がなされている。
ジャージ類は擦ったり、汚したり、揉んだり(dirty up)することで実使用に見せかけられた。
またバットなどは偽物売りディーラーが実際に使い、その痕跡を残すことで実使用感を付けていた(彼らはこれを「ホームランダービー」と呼んでいた)。
更に彼らは購入者から求められたときには、実使用であることの証明書も発行していたという。
この証明書に全く意味がないことはいうまでもない。
カードメーカーへの納品
カードメーカーに納品された偽物ジャージーは、メモラビリアカードに使用された。
逮捕された6人のうち、フロリダのディーラー、Bradley Wellsの取り調べのなかで、カードメーカーとの関係が述べられている。
記録によると、WellsはNSCCなどでメーカー側のバイヤーから(例えば)「メーカーが1着1,000〜1,200ドルでジーターのジャージを8着欲しがっている」と言われるという。
【参考】
ジーター実使用ジャージーの直近の落札価格(goldin auction)
ロードジャージ:3,087ドル
ワールドシリーズジャージ:22,990ドル、23,700ドル
バイヤーは、Wellsが準備した偽物のジャージに$1,200を払っていたという。
Wellsは以下のように供述している:
「『カードメーカーは自分達ががどんなものを買っている知っていた。しかし彼らは最少のコストでジャージを入手できるという誘惑に勝てない』とバイヤーは話した」
一方で、バイヤーが偽物を買っていた理由は必ずしもメーカーの要望を満たすためだけではない。
というのも、Wellsからバイヤーへキックバックが支払われていたことも判明しているからである。
なお、本件についてメーカーはいずれもコメントを発表していない。
●Autograph Live「HOLD THE PRESSES: Six Charged with Fraud Over Fake Game-Used Sports Memorabilia」
●Beckett「FLORIDA DEALER PLEADS GUILTY TO MAIL FRAUD CHARGES」
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