2000年 グレツキーT206ワグナー、100万ドルを超える[価格:$1,250,000]
取引関係
2000年になり、ギドウィッツはグレツキーT206ワグナーをロバートエドワードオークション(REA)とイーベイの共同オークションに出品しました。
落札したのはコレクターのブライアン・シーゲル。落札額は$1,250,000。
1枚の野球カードが100万ドルを超えたのは大きな話題を呼び、グレツキーT206ワグナーは高額カードの代名詞となりました。
補足
ギドウィッツが宣言していた通り、彼は野球カードを100万ドルで売りました。これはマーケットもグレツキーT206ワグナーの歴史的価値を金銭として評価した瞬間と言えるでしょう。
その記念碑的な売買の場になったのがREA。REAはビル・マストロのパートナーであったロブ(ロバート)・リフソン(グレツキーT206ワグナーの代金をマストロに用立てた人物)が設立したオークションハウスです(リフソンは2016年にREAを退職)。
そのリフソンのオークションでグレツキーT206ワグナーが100万ドルを突破したというのは奇妙な偶然だったのか、それとも必然だったのか・・・
2007年 グレツキーT206ワグナー、元MLB選手の手に渡る[価格:$2,350,000]
取引関係
7年間の所有ののち、ブライアン・シーゲルはグレツキーT206ワグナーを手放すことになります。
その売却先はトム・キャンディオッティ。
元MLBのピッチャーであるキャンディオッティが235万ドルでグレツキーT206ワグナーの新しいオーナーとなりました。
補足
キャンディオッティはベースボールプレイヤーでありながら、カードコレクターでもありました。
そのコレクターとしてのキャンディオッティはグレツキーT206ワグナーを手にする2年前にPSAのインタビューを受けています。
以下はそのインタビューからの抜粋;
「初めてPSAの鑑定に12枚ほどのヴィンテージカードを出した時、その大半がトリミングされているという鑑定結果が返ってきた。自分のお金が違法な人間たちの財布に転がり込んだとわかった時はひどく落胆したが、やがてPSAはコレクターに素晴らしいサービスを提供していると悟った。なぜならば、一度PSAで改ざんがないと確認され、ケースに納められたカードには誰も疑いを持つ余地がないのだから」
キャンディオッティの言葉を額面通り受け取るならば、彼が235万ドルを支払ったのはグレツキーT206ワグナーを覆っているPSAのケースがあってこそだったのかもしれません。
2007年 グレツキーT206ワグナー、球団オーナーの手に渡る[価格:$2,800,000]
キャンディオッティはすぐにグレツキーT206ワグナーを手放すことにします。
そしてSCPオークションに出品されたグレツキーT206ワグナーは(今のところ)最終オーナーによって280万ドルで落札されます。
その落札者はMLBアリゾナダイアモンドバックスのオーナー、ケン・ケンドリック。
約20年に渡りオーナーをオーナーを転々としてきたグレツキーT206ワグナーは現在もケンドリックの手元にあるといわれています。
【その7に続く】