【直筆サインを買う】主要カードメーカー寸評

変遷史で取り上げたメーカーごとに特徴をまとめました。

 

 

Paniniは幅広いニーズに応える「百貨店」

パラレルを重視したPrizmやメモラビリア重視のImmaculate Collection等、インサートのバランスに重点を置いた商品構成。
どんなコレクターにも対応できる品揃えはまるで「デパート」。

他方、「手掛けるスポーツ分野の広さ」と「アイテム数の多さ」に無理をしていないか不安になるときも。

 

「老舗」然とした安定感のTOPPS

選手名鑑のようなToppsシリーズ、動きある写真を使ったStadium Club、レトロ調のHeritageなど商品毎にレギュラーカードの住み分けを重視した商品構成。
ブランドが変わらない安定感は「老舗」そのもの。
またエンターテイメント系での潜在的な資産にも期待。

 

フロンティア精神あふれる「ヒルズ企業」なUpper Deck

肉食系カードメーカー。
カードの高級化や日本マーケットの開拓、選手の独占などを進めていた姿は、これまでの常識を覆そうとした旧ライブドアやメルカリとダブる。
MLBライセンス執行直後に球団ロゴ丸出しのアルティメットコレクションを出したり、17-18シーズンにNBAライセンスの「Supreme Hard Court 」出すあたり、強かさは未だ健在。

 

まとめ
2000年代にトレカ業界を襲った大変化も、振り返って見てみると必然性を感じます。

マイケルジョーダンの権利を独占しているUDにとって、ジョーダンのルーキーカード・PMGやジャンバラヤ等の人気インサートを発行していたFLEERの権利は、更なる勢力拡大のため是非とも欲しいものだったはず。

また、2000年のPujols RCでマーケットから熱狂的な支持を得たボウマンクロームを有するTOPPSでは、黒船Paniniから身を守るためにMLBライセンスの死守は至上命題であり、まさに社運がかかっていたに違いありません。

そしてイタリア資本のPaniniにとって、アメリカ流のカードを出すのは未経験だったはず。
アメリカという新天地に根をはるために、四大スポーツのうちどれが最適かと考えた場合、欧州選手も多いバスケ(NBA)と、欧州に関連リーグを持っていたアメフト(NFL)を選ぶのは必然だったのでしょう。
Paniniの「手広さ」は、新天地で生き抜くための「多様性の確保」なのかもしれません。

 

その他のメーカー、特にSB社
今後機会があれば、欧州サッカー(フテラ、マーリン)やカレッジ系(プレスパス、SAGE)、ノンライセンスメーカー(スコアボード、コレクターズエッジ)などの直筆サインカードにも言及していきたいと思います。

特にスコアボード(SB)社は、直筆サイン収集なら是非欲しいコービーブライアントの最初期直筆サインや、種類が少ないティムダンカンのオンカード直筆サインがある一方、
近年NBAのフェイクサインの巣窟になっているとの噂(あくまで「噂」ですが)もあるので、優先して書く予定です。