【直筆サインを買う】トレカ・メモラビリアの新サービス

 

Q.トレーディングカード、メモラビリアにコンサルサービスが生まれてきた背景はなんでしょうか。
A.「マーケットの高騰」が背景の1つとしてあげられます。

 

収集分野の新サービス

 

コレクターから見たメモラビリアマーケット』の投稿で図表上で「派生商品」という項目を設けました。

これらは従来のコレクション活動には見られなかった
新サービスとして登場したものです。

 

今回はこの新サービスのうち、トレカとメモラビリアのコンサルティング/アドバイザリーサービスについてご紹介します。

 

 

 

レガシースポーツ社による「メモラビリア アドバイザリーサービス」

レガシースポーツ社は、大手オークションハウス SCP Auctionの元副社長ダン・イムラー氏によって立ち上げられたコンサルティング会社です。

 

その目的は「金銭のみならずコレクションにおける個人的な体験を含めて、トータルなROIを最大化するサービスをクライアントに提供すること」とされています。

つまり、コレクターがメモラビアを購入/管理/売却する際の金銭的/趣味的な助言を行うというものです。

 

具体的には、以下のようなサービスをクライアントに提供しています(一部未リリース)

✔︎売買に関するアドバイス(Buy/Sell両方)
✔︎コレクション管理ツールの開発・提供
✔︎保険をはじめとする金融サービスの提供
✔︎売買プラットフォームの開設

 

 

 

レガシースポーツ社の意義

 

同社のサービスが持つ意義は2つあると個人的には考えています。

①プロから見た適切な売買タイミングの判断
②メモラビリアの目利き

Game usedアイテムに特に顕著ですが、メモラリビアは商業ベースで生産されるものではないことが多いため、
1つ1つの個性が強く、それゆえに素人では「真贋鑑定」と「価値評価」を行うことが困難です。

 

そのようななかで「適切なアイテム」を「適切な価格」で入手できる(または売却できる)ような助言を得られるのであれば、
レガシースポーツ社のサービスはコレクターにとって大きな支援となるでしょう。

 

 

 

PWCC社によるトレカ 投資顧問(investment advisory)サービス

PWCC社は米スポーツトレカマーケットの最大手ディーラーの一角で、毎年数百万ドル規模のアイテムを販売していると言われています。

彼らはトレーディングカードマーケットについて以下のように認識を示します:

かつてのコレクターは、今やパフォーマンス志向の投資家に変わりつつある

この認識に基づき、かれらがリリースしたのがトレカ売買の投資顧問サービスです。

 

具体的にはPWCC社が以下のサービスをクライアントに提供します。

✔︎投資カウンセリング
✔︎マーケット分析
✔︎カードポートポートフォリオの提案
✔︎資産管理サービス

 

 

 

PWCC社の投資顧問サービスの意義

 

PWCCの新サービスの特徴はトレカを完全に「投資対象」とみなしていることです。

トレーディングカードを投資の対象と見ることの是非については日本のみならず、アメリカでも意見が分かれるところですが、
Topps社が2019年に打ち出した「Stock X」や、Panini社の過熱気味なPrizm人気を見ると、
マーケット全体としてはトレカを「投資」あるいは「投機」商品として捉える傾向は強くなっていると思われます。

 

それを裏付けるようにPWCCは

過去10年間で、トレカの投資パフォーマンスはS&P以上、リターンベースだと150%超を達成できている

と述べています。

 

トレカを投資/投機と割り切る見方が増えていけば、PWCCのサービスは今後一般化していくかもしれません。

 

 

 

2つの新サービスの背景

 

これまでレガシースポーツ社とPWCC社のサービスについて説明してきましたが、いずれも「マーケットの高騰」が背景にあるといえるでしょう。

 

例えば、Lou Gehrigの実使用ジャージーが(ルース以外の)ジャージーで歴代最高値を更新したり、

Michael Jordanなどの Auto Cardが軒並み上がったり

と、依然としてマーケット全体に高騰感があるのは否めません。

しかし、素人にはその高額な値付けが妥当なのか判断するのは難しいです。

 

しかも精巧な偽物も続々と出てきており、鑑定会社の鑑定をかいくぐって(または鑑定のお墨付きを得て)高額な本物の隣に並んでいます。

 

これら「市場の危険」を専門家の助力を得て避けたいという潜在的なニーズがこれらのサービスを生み出したのでしょう。

今後のこれらのサービスが定着するのか、撤退を余儀なくされるのか見守って行きたいと思います。