【直筆サインを知る】直筆サイン入り MLB Hall of Fame Postcardの変遷

 

Q.「サイン入り」米野球殿堂ポストカードで知るべきはなんでしょうか。
A. ポストカードの制作年と選手の没年です。

 

意外と知らない、「アメリカ野球殿堂ポストカード」の世界

 

選出選手を讃える額(プラーク)に黄色時のポストカード。

MLBグッズコレクターなら目にしたことがあるであろう、アメリカ野球殿堂博物館の記念ポストカード(HOFプラークポストカード)です。

直筆サイン入りポストカードも少なくなく、Cut Signatureとしてトレカにも使われています。

この構図はMLBトレカコレクターならお馴染みですね。

 

でも、それが「野球殿堂のポストカードだ」ということ以外に知っていることは意外と多くありません。

またサイン入りポストカードの購入時にチェックすべき事項も知っておきたいところです。

 

ということで、まずは「ポストカードの変遷」を「制作会社の変遷」に合わせて見ていきましょう。

 

 

 

Albertype 社製:1936年(1939年説もあり)〜1952年

 

1936年以前にもポストカードはあったようですが、記録として出てくるHOFプラークポストカードの作成会社がAlbertype社です。

最初はセピア色のポストカードを作成していましたが、1944年から白黒のポストカードに変更されています。

 

このAlbertypeのポストカードは、作成時期に応じて特徴が異なります。

1944年〜1945年に作成されたポストカードは「タイプ1 」

1946年〜1952年に作成されたポストカードは「タイプ2」

 

違いはプラークが印刷されている面の下部表記。

タイプ1:2行目の表記が「Cooperstown N.Y.」
タイプ2:2行目の表記が「Cooperstown New York」

 

Artvue社製:1953年〜1963年

 

Albertype社の後にHOFプラークポストカードを作成したのがArtvue社です。

見た目はAlbertype社製のHOFプラークポストカードと似ていますが、見分けるポイントが2つです。

①宛名書き面の社名

Artvue社製には裏面に社名が印刷されています。

②プラーク印刷面の上下の隙間

Artvue社製はプラークの印刷位置がAlbertype社製よりも上がっています。

さらに、Albertype社製と同じく、Artvue社のHOFプラークポストカードも作成時期に応じて特徴が異なります。

 

1953年〜1955年に作成されたポストカードは「タイプ1」

1956年〜1963年に作成されたポストカードは「タイプ2」

違いはプラークの四隅。

「タイプ1」:プラークの四隅が「穴」になっており、「タイプ2」:プラークの四隅が「ボルト」になっています。

 

 

 

Curteichcolor社製:1964年〜1977年、1980年

 

このCurteichocolor社製のHOFプラークポストカードから、我々が見慣れた黄色いカードになります。

この黄色地のデザインはファンに強く支持され、以降このデザインが踏襲されることになります。

特徴は2つ

①過去2社製と比較してプラーク印刷面の「National Baseball Hall of Fame & Museum Cooperstown, New York」のフォントが大きくなっています。

②宛名面の中央に「Curteichcolor」の社名が印刷されています。

 

 

 

Dexter社製: 1978年〜1979年

 

Curteichcolor社が休業した1978年と1979年、HOFプラークポストカードの作成を請け負ったのがDexter社です。

一目見ていただけばわかるようにドギツイ配色、そして選手のサインを殺す詰め込み具合。

同社のデザインはファンから多大なるブーイングを受け、2年で撤退しました。

 

 

 

Mike Roberts社製: 1981年〜1996年

 

1981年にHOFプラークポストカードの作成を請け負ったのがMike Roberts社でした。

同社も黄色地のポストカードのデザインを採用しています。

異なるところといえば、プラーク印刷面の「National Baseball Hall of Fame & Museum Cooperstown, New York」の印刷位置が下がったというぐらいでしょうか。

 

 

 

Scenic Art社製:1997年〜

 

そして現在HOFプラークポストカードを作成しているのはScenic Art社です。

同社はMike Roberts社のグループ会社であるため、デザインは踏襲されており、違いは宛名面の社名ロゴぐらいです。

 

 

 

疑問ある直筆サイン入りポストカード

 

HOFプラークポストカードはコレクション性が高く、
また殿堂博物館などで容易に入手できるため、
サイン入りポストカードの偽造も少なくありません。

 

偽物はサインの真贋鑑定により判別するのが王道ですが、
素人にもできる簡易な判別法がこれまで述べてきた
「ポストカードの制作時期」と「選手の没年」との比較なのです。

例を上げてみましょう。

 

 

 

Eddie Collins 直筆サイン入りHOFプラークポストカード

 

Dead Ball Eraの名選手、Eddie Collins。彼のサイン入りポストカードがこちら。

裏面の画像がないためPSAのフリップを参考にすると、製作会社はartvue社です。

artvue社は1953年からHOFポストカードを手掛けているのは前述したとおりなのですが、

問題なのはCollinsの没年。

HOFのサイトによるとCollinsの没年は「1951年3月25日」とされています。

これだと

1951年:Collins逝去
1953年:Artvue社がCollinsのポストカードを作成。Collinsがポストカードにサイン。

Collinsはどのようにサインしたのでしょうか

 

 

 

Jesse Burkett直筆サイン入りHOFプラークポストカード

 

もう一つの例はJesse Burkettのポストカード。

これも印刷時期とBurkettの晩年の闘病時代との比較で偽物ではないかと疑義が持たれたています。

この検証はかなり複雑なので、こちらをご参照ください。

 

お馴染みのサインアイテムでも紐解いてみると知らなかった奥深さが見えてくる、その代表格のようなポストカードです。