【直筆サインを楽しむ】サイン時の利き手の違い

 

Q.利き手の違いは直筆サインにどのような影響が与えますか。
A.文字の形や書き方に違いが出るようです。

左利きの得手不得手
右利きと左利きでは書き難い字画(線)が違うといいます。


根本寛『新筆跡鑑定』より引用

左利きの場合、左に膨らむ弧と、左から右への水平な線が書きにくく、
右利きはその逆の字画が不得意といわれます。

であるならば、右利きと左利きではサインに何らかの違いや特徴があるのではないか?

この疑問を持って以来、選手がどちらの手でサインしているのか俄然興味が湧くようになりました。

 

 

Zion Williamsonのサイン
まず、特徴がありそうだったのは、2019NBAドラフト全体1位、Zion Williamson。
彼も左利きです。

彼のサイン画像はこちら

 

 

まず注目したのは頭文字である筆記体のZ
お手本画像

お手本の「Z」の楕円は左右の弧は同じように膨らんでますが、
Zion君の「Z」は右弧は膨らみがありますが、左弧は直線的ですね。

 

次はナンバーサイン(#)
これは「#」と「♯」が区別されずに使われることもあるので、両方を念頭におきます。
ちなみに
# :ナンバーサイン
♯ :シャープ

ここで注目するのは横画(横線)。
多くの方は横画を水平か右肩上がりに書くのではないでしょうか。

一方、ザイオン君のはやや右肩下がりなのです。


コレは、
右利きの人が右から左(体の外側から内側)に線を引くときに上下どちらに向かって引くのが楽か、
と同じだと理解してください。
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他の横線にも右肩下がりが見られますね。

 

そして「e」
これは冒頭の「Z」と同じで、
右弧に比べて左弧が直線に近い形で書かれています。

3文字だけですが、左利きの特徴が出ているように思います。

 

 

慣れると利き腕の特徴は薄れていく。
サインを見ていくと、左利きなのにその特徴が見られない人も沢山います。

それは何百・何千回と書いていくうちに手首が動きに慣れてくるからでしょう。

また、書き方自体を工夫している選手もいます。
次はそんな工夫を紹介します。

 

 

Dale Murphyの場合

Dale Murphyも左利き。
サインはこちら。

Zion君に見られたような文字の特徴は見当たりませんね。

そこで、
彼のサインしている姿はこちら。
左手の甲の向きに着目してください。

 

本来、左側を向く手の甲が、前方に向けられ、ペン先が右ではなく自分のほうに向いているのがわかるでしょうか。

滑らかに書くため、ペンの動く方向を変える工夫なんだと思います。

 

 

Lebron Jamesの場合

レブロンも左利きです。
彼はサインを何回か変更してますが、サンプルとして以下をあげてみます。

左利きで左肩下がりの楕円は書き難いでしょう。
しかし、彼はこんなにスムーズな円を書いてます。

秘密は彼のサイン時の写真にありした。

写真を90度ちかく回転させてサインを書いています。

こうすることで、左肩下がりの楕円は左肩上がりに変わり、左利きで書きやすくなります。

(書いているときの見た目)

 

 

直筆サインを推理する楽しみ
直筆サインは集めるのも楽しいですが、このように色々推理していくのも楽しいです。
またこの楽しみ方ならさほどお金をかける必要はありません。

 

いままでに「トップスとパニーニのシールオート管理の違い」「サイン現場の写真の読み解き」をしょうかいしましたが、
他にもまだあると思うので、自分なりの楽しみ方を探してみてください。

 

【2019年9月5日追記】

ザイオン君の運筆

Zion Williamson君のサイン、「運筆」が2種類あるように見えますね。

 

一筆書きタイプ

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↑運筆イメージ動画

 

一度ペンを放すタイプ

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↑運筆イメージ動画
 

 

シールオートだと一筆書き、直書きだと一度ペンを放すタイプのようですが、
この違いが何によるのものかはまだわからないですね。

 

考えられる原因としては・・・
✔︎オンカードとステッカーで分けている
✔︎「一筆書き」から「ペンを放す」にサインが変化した
✔︎多く書かないといけない場合には一筆書きになる

 

これからも観察していきたいです。