Q.チケットは未使用のものしか価値がありませんか。
A.半券もコレクションアイテムになります。
コレクションアイテムとしての観戦チケット
日本ではまだ少ないと思われるコレクションの1つに「チケット」があります。
なぜチケットがコレクション対象になるのか?
その理由についてPSAは以下のように分析しています。
「…tickets represent tangible artifacts from some of the greatest moments in sports…」
例えば、ルースの500号HRを放ったバットは高額すぎて入手できなくても、その試合の半券なら状態を問わなければ$1,000前後で入手できます(それでも$1,000ですが)
このように歴史的瞬間に触れることができるメモラビリアがチケットといえるでしょう。
未使用と半券
チケットですので、観戦で使用していれば「もぎられた」状態で残っています。これを「stub」といいます。
一方で、何らかの理由で使用されず未使用のまま残っている場合もあります。これを「full」といいます。
どちらが良いのかは必ずしも比較できないのですが、評価に差が出ることも。
例えば1932年のMLB ワールドシリーズ第3戦。
いわゆるベーブルースの“called shot”と言われる試合ですね。
このチケットのfullとstubの落札価額はfull:$7,170、Stub:$1,195とfullのほうが高い評価を受けています。
(full ticket)
(Stub ticket)
高評価チケットの代表格 「NFL Super Bowl 1」
チケットコレクションで最も有名なのが、1967年のアメリカンフットボール第1回スーパーボウルです。
全米屈指のスポーツイベントで、試合のみならずハーフタイムショーやCMまでもが話題となりますが、
第1回はなんと94,000席の内、33,000席が売れ残りました。
そんな状態だったのでチケットを保管している人も少なかったのでしょう。
2019年2月にオークションに出された未使用チケットは$66,000で落札。
時期は違いますが、1967から2018年までの全スーパーボウルのチケットセットの落札額が$168,000であることと比べると如何にこのチケットが突出しているかがわかります。
その他の有名チケット
MLB 1919年ワールドシリーズチケット
第1試合、第2試合、第5試合、第6試合 セット
落札額;$15,168
「Black Sox事件」のチケットです。
MLB 1939年 Lou Gehrig Day チケット
落札額:$40,800
ゲーリッグが引退スピーチをしたチケットです。
NBA 1984年 ブルズvs バレッツ チケット
落札額:$33,600
マイケル・ジョーダンのデビューチケットです。
NBA 1962年 ウォリアーズvsニックス チケット
落札額:$14,340
チェンバレンが100得点を記録したチケットです。
チケットコレクションの今後
近年、チケットコレクションはある危機を迎えています。
それは「チケットレス」化。
電磁的記録による入場管理により、チケットは急速に衰えていっています。
冒頭のPSAの言にあった「tangible artifact」ではなくなる未来が待ち受ける中、チケットコレクションがどのように変化していくのか気になるところです。