某編集者の講演会で「編集者には出版社の垣根を超えた繋がりがある」という話を聞きました。
作家を囲む宴会があれば同担の若手編集者たちで出し物をしたり、作家が入院したら代わる代わる差し入れしたり。
そこには煌めく才能を世に出すという体験を共有できた「選ばれ感」や苦労を共にした連帯感があるのかも知れません。
MLB最多の『7』ノーヒッターを達成したノーランライアン。
しかし、これはライアン1人で成し得たものではく、投手の記録には必ずそれを受けた捕手がいます。
Anan Ashby(Astros 1981/09/26)
Jeff Torborg(Angels 1973/05/15)
Art Kunsyer(Angels 1973/07/15)
Tom Eagan(Angels 1974/09/28)
John Russell(Rangers 1990/6/11)
Mike Stanley(Rangers 1991/05/01)
Ellie Rodriguez(Angels 1975/06/01)
この捕手たちはこのボールにサインするとき、どんな思いを抱いたのでしょうか。
ライアンがサインしたボールを手にして、当時の興奮を思い出しながらサインしたのでしょうか。
それとも、チームは違えどMLB史上に輝く大記録を共に達成した「戦友」として、他の捕手のサインを眺めたのでしょうか。
ライアンと7人がサインしているこのボールは、野球人生最高の時を共有した8人分の想いが込められている「作品」のように思えてならないのです。