スポーツメモラビリアがより身近なアメリカ
米国スポーツのサインやメモラビリアに接していると、日本のそれとは違いマーケットが確立しているなあと感じることが少なくありません。
例えば、MLBの実使用アイテム(GU)。
試合に使用されたアイテムをスタジアムで購入することができます
また、球団や機構以外でもFanatics社などディーラーがAuthenticサインを販売しており、一定の保証がなされたアイテムを手にする事ができます。
個別に見ていくときりがありませんが、日本とアメリカで何が最も違うのでしょうか。
いちコレクターとして考えてみました。
項目別の比較
まずは「困難は分割せよ」の格言に従い、項目に分けて個別に考えてみましょう。
ざっくりと以下の6項目に分けてみました。
「一次マーケット」
サインやGUが初めて売りに出されるマーケット
「二次マーケット」
コレクターなどがサインやGUを手放すマーケット。製品なら中古市場に該当する。
「相場の目安」
そのアイテムにどのくらいの価値があるのか(いくらで売れるのか)について多くの人が基準とする価額。
「審美判定」
アイテムの状態が良いのか悪いのかを判定する基準またはそのサービス
「真贋判定」
アイテムが本物か偽物か判定する基準またはそのサービス
「派生商品」
従来にはない便益を提供するサービス
これらについて独断と偏見で米国物(アメリカスポーツのアイテムをアメリカで取り扱う場合)と日本物(日本スポーツのアイテムを日本国内で取り扱う場合)を比較したのが、以下の表です。
下から上に昇るにつれ、日本ではサービスの提供者が減少していく傾向にあるように思います。
各項目の関係性
続いて各項目の関係性について紐解いてみます。
米国物を例にとって考えた場合、私が認識している関係性は以下の通りです。
ここで思うのは、一次マーケット以外、多くの取引に関わるのが「真贋鑑定」と「審美鑑定」だということです。
一次マーケットはある意味で本人から入手するに等しいので、極論すると真贋鑑定は必須ではないのかもしれません。
それに対し、二次マーケットに移行後は「誰だか知らない者」が「画像でしか確認できないアイテム」をebayなどで売るため、
買い手としては問題無いアイテムなのかお墨付きが欲しくなるのは理解できるところです。
そこで、
BASやResolution Photomatchingがサインやアイテムの真正性を鑑定し、
PSADNAやMEARSなどがサインやアイテムの状態評価を行うことで
売り手・買い手共に真贋と状態を共有でき、安心して(というと言いすぎかもしれませんが)取引に臨めるのでしょう。
「卵」が先か「鶏」が先か
「鑑定サービスが無いから二次マーケットが作られない」のか、
「二次マーケットが無いから鑑定サービスへのニーズが生まれない」のかは「にわとりたまごの議論」でしょう。
ただ、トレカ以外で日本のサインやGUを持っているコレクターにとって、その真正性を証明する術がないというのは共通した悩みではないかと思います。
トレカのグレーディングも今や浸透していることを踏まえると、時間がかかってもメモラビリアの鑑定も広まっていくのではないか、そしてそれによって日本のメモラビリア市場も活気を得てくるのではないかと思います。
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