【直筆サインを買う】売買された偽物サインの例その2

Auctioncase
-オークションで売られている額装直筆サインとその商品説明文(一部目隠し加工しています)

Q. 立派な装幀の直筆サインは本物でしょうか?
A.飾りつけられていても「鑑定書が無い」「鑑定書が明示されていない」など真贋が確認できないも少なくありません。

前回は雑に複製された偽物サインをご紹介しました。
今回は見た目はコレクタブルアイテムとして立派ながら偽物だった例をご紹介します。

ケース:ハリウッドスターの額装直筆サインが偽物と鑑定された例(2019年1月)

マイケル・J・フォックス氏の直筆サインが入ったバックトゥーザフューチャーⅡ(BTTFⅡ)の額装プロップ(映画小道具)をサンフランシスコで購入したが、テレビ番組での鑑定の結果、偽物と判明。
https://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/smp/kaiun_db/otakara/20190108/01.html

リンク先にある通り「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)で放送されたものです。

また購入時のエピソードは北斗晶さんのブログに綴られており、当時ネットニュースでも取り上げられました。

ポイント①:額装されていても本物の証明にはならない。
当然のことですが、立派な額に入っていようと、綺麗に装幀されていようと真贋には関係ありません。

綺麗な額に入っている等見た目が良いと信頼できるように思えてしまいますが、直筆サインでは鑑定書や証明書の有無と信頼度を重視してください。

ポイント②:実使用物の真贋判定は難しい
このサインは劇中に出てくる「ホバーボード」という小道具に書かれています。

Foxforgedauto
-引用元:上記の「開運!なんでも鑑定団」サイトより
これがどういう謳い文句で売られていたかは不明ですが、もし「映画の撮影で使われた」と言われたらどうでしょうか?
普通の直筆サインより高値でも不思議ではありません。

しかし、映画の小道具(「プロップ」と言われます)やプロスポーツで使われた道具といった実使用物は直筆サイン以上に判断の手掛かりが少ないものが多く、私達のような素人には難しいです。
ですので、主目的が直筆サインなら実使用物の直筆サインは避けた方が無難です。

それでも欲しいならば、まずはトレーディングカードの「メモラビリアカード」を探してみるのが良いでしょう。
カードサイズに収まるよう「ピース」にされてはいますが、信頼度は高いと思います。

ちなみにマイケル・J・フォックス氏の直筆サインは、大手鑑定会社(PSA/DNA)の鑑定付きフォトがeBayで2〜3万円、BTTFシリーズで共演したクリストファー・ロイド氏(ドク役)とのダブル直筆サインで7万円程度でした(執筆時点)。

このぐらいの値段であればフォトだけ購入し、額は自分で選んだ方が気に入ったものに仕上がると思います。

偽物は色々なところで獲物を待ち構えています。しかし、1つずつチェックポイントを押さえていけば偽物リスクは必ず減らせるので、慌てず吟味していきましょう。