Q.ジョーダンの独占契約によってどんな影響がありますか?。
A.アッパーデック社以外からジョーダンのサインはリリースされず、また今後オートカードの数が抑えられる可能性もあります。
UDの金看板
NBAカードコレクターなら一度は夢見るであろうマイケル・ジョーダンのオート。
先日のオークションでも破格の値段を付けていました。
周知の通り、トレカ等におけるマイケル・ジョーダンのライセンスはアッパーデック社(以下、UD)が独占しています。
マーケットにおけるジョーダンのサインの評価はUDの重要な関心事項であり、
直近のジョーダンのオートカード高騰も同社の意図するところと言えるでしょう。
契約は1992年から
UDはカード業界の後発組でしたが、高級化路線を進め、パックのフォイル化やカードへのホログラムマーク印刷など新たなスタンダード作りに取り組んでいました。
NBA分野では1990年にトレカライセンスを取得。その2年後、1992年にはジョーダンとの独占契約を結びます。
1993年の引退は契約直後のUDにとって想定外だったかもしれません。
しかし、MLB挑戦中もジョーダンのカードを発行し、更に2回ずつの復帰・引退を経ても契約を維持しました。
そしてNBAライセンスを喪失した現在※も独占契約を維持しています。
※2019年現在
独占契約の対価
MLBのケングリフィーJrとともに強力なスポークスマンとであったジョーダン。
ちょうどオートカード、ジャージーカードがトレカで隆盛してきた時流も相俟って、ジョーダンのオート、ジャージーが期待できるUDブランドはコレクターの間でも存在感がありました。
商品に大きなブランド力を付与したジョーダンに対し、UDはいくら払っていたのでしょうか。
この種の金額は公にされないものですが、とある訴訟を機に世間の知るところとなりました。
とある企業が無断でジョーダンのブランドを広告に使ったことに対し、ジョーダンが同企業を提訴。
-問題となった広告
ジョーダンが被った損害額の根拠として、契約各社から支払われているライセンス額が法廷に提出されたため、これが世間の知るところとなりました。
これによると2002年から2012年までにUDがジョーダンに支払った金額は1400万ドル。
単年度あたりにすると、日本の上場企業の社長が受け取る報酬並です。
ちなみに、UDの他にもナイキやゲータレード等もジョーダンと契約しているため、ジョーダンの受け取り総額は更に高くなります。
MJオートの再上昇を目指したUD
近年、UDがリリースするジョーダンのオートカードは減少気味です。
またオークション等での値段も一時期よりも高騰しているように感じられます。
このような状況はコレクターにとっては不幸ですが、UDにとっては思惑通りといえるでしょう。
というのも、2015年にジョーダンとの契約を延長したUDは以下のようにアナウンスしていたからです:
“…new deal will also limit the number of Jordan autographs to make Jordan’s highly coveted signature even more valuable for fans and collectors.”
NBAライセンスを失ってからもしばらく、UDはカレッジブランドでバスケットカードをリリースしていたのは周知の通りです。
勿論ジョーダンもラインアップされましたが、カレッジ写真のオートはジョーダンのオートの価値が下落させたと言われています。
“A heavy influx of Jordan autographs on college-based cards has brought prices for basic Jordan autographs down a bit.”
–Sports Collectors Daily「Upper Deck Renews Autograph Contract with Michael Jordan」
この価値を回復させるべく、ジョーダンとの再契約を機にオートグラフの数を抑え、それに伴いバスケブランドのトレカを2015年から原則休止にしました。
今年のナショナルでも、UDは来場者用特典であるスポークスマンのサインカードを用意してましたが、その中にはジョーダン(とレブロン)はありませんでした。
独占は更に続く?
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↑注意:音が出るので注意してください。
ナショナルのUD商品でジョーダンのサインジャージーを引き当てて歓喜するコレクター。
如何にジョーダンがファンの心を掴んでいるか分かります。
カードコレクターとしてはブルズユニのジョーダンオートの復活を心待ちにしていますが、
UDとしてはコレクターを繋ぎとめていくために、これからも独占を続け、そしてオートを供給を抑えていくように感じられます。
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