【直筆サインを知る】立体物のサインと平面物のサインの違い

 

Q.立体物と平面物ではサインにどんな違いがありますか
A.サイナーによるフェイクのリスクが違うことがあります。

 

なぜ警告者たちは「Fanatics社のアイテムを買え」といったのか。

 

パニーニ社が発行しているルカ・ドンチッチのサインに代筆疑惑が生じた時、ネットの警告者達は

「ルカの本物の直筆サインが欲しいならFanatics Authentic社のアイテムを買うべきだ」

と忠告していました。

彼らはなぜ同じルカのサインでもPANINIはダメでFanatics Authentic社は良しとしたのでしょうか。

その理由を考えるにあたり、ルカのサインで疑われている「サイナー本人によるフェイク」について今一度概観してみましょう。

 

 

 

オートペン

 

偽物サインの種類』で、選手(サイナー)が行う偽造の1つとして「オートペン」を紹介しました。

【参考】直近でオートペンの使用が強く疑われた事例
①Dak PrescottがPanini Prizmでオートペンを使用した疑惑
②元ファーストレディのミシェルオバマ女史が自著のサイン本に使用した疑惑

 

オートペンは元々紙にサインすることを前提に作られているため、使用するためにはサインの対象物が「平面」であることが絶対条件です。

 

逆に言うならば、ボールやバット、ヘルメットなど立体物にはオートペンによる偽造は使えないということになります。

 

 

 

セクレタリーオート

 

また、選手が行う他の偽造として『偽物サインの種類』で紹介したのが「セクレタリーオート」です。

 

こちらはサイナー本人の了解のもと、第三者がサイナーの筆跡を真似て代筆するというもので、
例えばメイズやジョーダン、ディジー・ディーンなどが知られています。

第三者がサインするため立体物にもサインできますが、当然ながらサインする場に第三者がいることが前提になります。

 

以上のことから、選手本人にオートペンとセクレタリーオートをを使わせないためには、
①立体物であること
②第三者が代筆出来ない環境であること
が望ましいということがわかります。

 

 

 

ルカとFanatics Authentic社との関係

 

次にルカとFanatics Authentic社との関係との関係を確認しましょう。

 

スポーツ選手とメモラビリア会社の関係といえばマイケル・ジョーダンとアッパーデック社の独占契約が有名です。

 

ジョーダンに限らず、『サインメモラビリアの独占契約』でも紹介しているとおり米国4大スポーツでスターと呼ばれる選手の多くはメモラビリア会社と専属契約を結んで結んでいます。

ルカも同様で、メモラビリア会社の最大手であるFanatics Authentic社とトレーディングカード以外の専属契約を結んでいます。

 

専属契約を結んだ選手は、あらゆるアイテムにサインをすることになります。

フォト、ジャージー、ボール、バット、ヘルメット、クリート・・・・・

そしてこれらにサインするときは、多くの場合、メモラビリア会社が用意した会場にサインアイテムをズラーと並べて、選手が手当たり次第にガンガンサインしていきます。

というのも、トレカサイズなら数百枚単位でも選手に送りサイン後に返送してもらうことができますが、
バスケットボールやアメフトのヘルメット等の大きいメモラビリアは何百個も選手の自宅に送りつける訳にはいかないからです。

 

ルカもフォトやバスケットボール、ジャージーにサインをしてFanatics Authentic社に提出していますが、
サインしている動画を見てみると、Fanatics Authentic社の横断幕やクロスが敷かれた会場でボールやフォトなどにサインしていっています。

つまり、関係者の見守る中サインをしているため、本人サインの真正性が確認できているというわけです。

 

 

本人、パニーニ社および鑑定会社が特に声明を出していないため、コレクターの間でルカサインの疑惑が晴れることは決してないでしょう。

 

そのようななかで、もしルカのサインを欲するのであれば、自分が

「カードコレクターとしてルカのオートを押さえておきたいのか」
「投資家として値上がりが期待できるルカのRCに投資したいのか」
「ルカのファンとして選手が触れたものを側に置いておきたいのか」

をよく見つめ直したうえでアイテムを選ばないと、
購入後もフェイクの陰に悩まされてしまうのではないかと思います。